2025.12.18
【ニュートラルカラー大解剖 / 全6回】Vol.5 グレージュ人気と共に注目度UP!居心地抜群のインテリアを作るウォームニュートラル
【ニュートラルカラー大解剖 / 全6回】の5回目は、居心地の良さや温もりを空間にもたらしてくれるウォームグループの代表格 ウォームニュートラル。
名前の通り、暖かな空気感を作り出すのが得意なニュートラルカラーグループの4色をチェックしてみましょう。
2. ウォームニュートラル:No.2003 Pointing
4. ウォームニュートラル:No.226 Joa’s White
5. ウォームニュートラル:No.264 Oxford Stone
7. Farrow&Ball 銀座サロンで温もりを感じるニュートラルカラーをチェック
1. 居心地の良い空間をつくる暖色系のウォームニュートラル

「暖かさを感じさせる色」といえば赤やオレンジ、黄色などの暖色系になりますが、このウォームニュートラルに含まれる色からは、特に「赤」や「オレンジ」がかった色が感じられます。
例えば、ウォームニュートラルに含まれるNo.2003 PointingやNo.2008 Dimityは、パッと見たら「白系統」の色です。
しかし日差しの加減や照明の具合によって、そこに含まれる「赤」の顔料がググッと顔をのぞかせるため、1日の中でさまざまな表情を空間にもたらし、インテリアをより深く楽しむことができます。

なお、インテリアカラーはスタイリッシュでクールなグレーの時代から、近年より洗練され温もりが加わったウォームなグレージュの時代へとその人気が変化しています。
それに伴い、グレージュにあうニュートラルカラーの色合いも変わりました。
一昔前は温かみを感じるニュートラルカラーといえば、黄みの強いベージュや黄土色といった色がメインでしたが、現代はグレイッシュな色合いのなかに「赤み」や「オレンジ」が含まれ、より深みのある色調に注目が集まるようになっています。

それでは、新しい時代のベースカラーとして活躍してくれるであろうウォームニュートラルの4色をご紹介します。
・【ニュートラルカラー大解剖 / 全6回】Vol.3 現代的なスマートモダンを生み出すコンテンポラリーニュートラル
・【ニュートラルカラー大解剖 / 全6回】Vol.4 ウォームグループながらも、インテリアをモダンに魅せるタイムレスニュートラル
2.ウォームニュートラル:No.2003 Pointing


シンプルで爽やかな印象を与えるNo.2003 Pointingは、昔から煉瓦造りに使われる石灰の目地仕上げ”pointing”の色から色名が付けられました。


そんなNo.2003 Pointingが単純な白と違うのは、明快さや明るさを保ちながらも、人工的ではなくナチュラルなインテリアに馴染みやすいという点。

こうした特別な白の特性を活かして、自然素材の多いインテリアの天井に取り入れると光の反射で空間全体を明るくしてくれますし、上の写真のようにアンティーク家具や風合のあるファブリックや革製品などが多いクラシカルなインテリアの壁に塗装すると、空間を非常に美しく柔らかく彩ってくれるでしょう。
3.ウォームニュートラル:No.2008 Dimity


赤を基調とした極めて明るいニュートラルカラーのNo.2008 Dimity。
現代では寝具類に使われることが多くなった生地の”dimity”が色名の由来ですが、もともとこの生地は、19世紀半ばから後半に流行した女性のドレスの後ろを膨らませていた”バッスル”に使われていたものでした。


こちらも「ほぼ白」と言っても過言ではないほど非常に明るい色ではありますが、塗料に含まれている赤の顔料の影響で、極僅かにピンクがかって見える白です。
だからと言って可愛らしいイメージになるのではなく、暖かみのあるグレージュを白と同じくらい明るくした「淡く落ち着いた」色合いなので、上品な印象をインテリアにもたらしてくれます。

同じウォームニュートラルのNo.2003 PointingやFarrow&Ballでは一番白いアーキテクチュアルニュートラルのNo.2005 All Whiteなど、No.2008 Dimtyよりも明るい白とあわせればピンクが際立ちますし、下でご紹介するNo.264 Oxford Stoneとカラーコーディネートをすると、古風で穏やかなリラックスしたインテリアを作り出すことができます。
4.ウォームニュートラル:No.226 Joa’s White


No.226 Joa’s Whiteもまた、暖かみのある赤を基調としたニュートラルカラーの代表色です。
この色は、今でもさまざまな色の開発に携わっているFarrow&Ballの初代カラーコンサルタント Joaさんの名前にちなんで名付けられました。

そんなNo.226 Joa’s Whiteですが、実は「わずかな黒色顔料」が含まれている複雑で洗練された色でもあります。


明るく穏やかで清潔感も感じさせてくれるので、白の代替色としても使いやすいのが特徴で、日本の住まいでもよく使われている白系統の漆喰や珪藻土、石材、柔らかな風合のリネンなどとあわせて使うと、より美しく馴染んでくれるでしょう。
5.ウォームニュートラル:No.264 Oxford Stone


赤を基調としたウォームニュートラルカラーグループのなかでは、一番濃い色であるNo.264 Oxford Stone。

英国 オックスフォード地方のコッツウォルズの村々に見られる住宅の石材にインスピレーションを受けてうまれた色です。コッツウォルズは英国のなかでも特に美観で有名な地域で、石造りのコテージや田園風景が素晴らしい地域ですよね。


上でご紹介をしたNo.2008 DimityやNo.226 Joa’s Whiteとカラーコーディネートをすることで、シンプルながらも心地よい色の移り変わりが感じられる、奥行き感のある空間を作り出してくれます。
また、温もりだけでなく繊細さと深みがある色合いなので、素朴でありながら心を元気づけてくれる印象をもたらしてくれるでしょう。
6.FAQ ウォームニュートラルについて

Q.ウォームニュートラルには、どんな床材があいますか?
ウォームニュートラルのなかでも明るめのNo.2003 PointingやNo.2008 Dimityなどには、ほんのりオレンジがかったライトオークやタモ材などが馴染みやすいです。また、タイルや石材などと合わせるならライムストーンのような暖かみを感じるグレー系の色がおすすめです。No.226 Joa’s WhiteやNo.264 Oxford Stoneのように少し明度が下がった色合いになれば、床材ももう少し暗めの色調でもあわせやすく、ウォルナットやチェリー、アンティーク古材などもOKです。木材に関しては、日焼けすることで色がより深くなってくることが考えられるので、経年変化の色味の確認はした方がよいでしょう。


Q.ウォームニュートラルの色を「ナチュラルなインテリアスタイル」以外でも使うことはできますか?
ウォームニュートラルは「素朴」で「穏やか」な印象を与えるのが得意なグループですが、例えばクワイエット・ラグジュアリーのように、静かに上質さを伝えるようなインテリアスタイルにもフィットします。『高価さよりも「質・素材・仕立て・バランス」を重視』『一見すると控えめだけれど、本物感に溢れている』といったインテリアにはぴったりですし、または長時間過ごすことを前提としているような空間にもおすすめです。
リノベーションなどでインテリアカラーを相談されたい方は、Farrow & Ball銀座サロンでカラーコンサルタンシーサービスをご利用ください。インテリアカラーのプロフェッショナルである銀座サロンのスタッフが、ご希望や空間の目的に合わせて最適な色をご提案させていただきます。
7.Farrow&Ball 銀座サロンで温もりを感じるニュートラルカラーをチェック

Farrow & Ball 銀座サロンは、新色を含めたさまざまなニュートラルカラーを実際に塗装しているので、直接ご自身の目で色の変化や奥行き感を確認していただける最高の場所となっております。
ニュートラルカラーは照明や窓から入ってくる陽光の色でも大きく見え方が変わりやすいという特徴を持っているので、どう変化するのか、思っていた色味とあっているのかなど、ぜひ確認をしてみてください。
なお、Farrow & Ball 銀座サロンは予約制となっております。ご予約のうえご来店ください。
銀座サロンになかなかいらっしゃることができないという方は、Farrow&Ballのカタログとカラーチャートを無料でご請求していただくことができますので、こちらもぜひご活用ください。
8.まとめ


【ニュートラルカラー大解剖 / 全6回】Vol.5は、グレージュ人気に伴い注目度が高まってきたウォームニュートラルの4色をご紹介いたしました。
暖かさや居心地の良さをとにかく伝えてくれる赤やオレンジみを感じる美しく穏やかなニュートラルカラーが多く、日本の住宅では取り入れやすい色が揃っていましたね。
このニュートラルカラーグループが気になる方は、サンプルやカラーチャートをご請求していただき、ぜひ色味をチェックしてみてくださいね。
さて、次回のVol.6は、とうとう最後のニュートラルカラーグループ『トラディショナルニュートラル』のご紹介となります。これもまた複雑かつ美しい色が揃っていますので、お楽しみに!
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