2026.06.22

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北向きの部屋や日当たりの弱い空間で映えるFarrow&Ballの色 ― 北向きの光を味方につける色彩設計 ―

これから日差しが強くなる季節。

近年は温暖化の影響もあり、「強い日差しに左右されにくい心地よさ」を求めて、あえて北向きのお部屋やバルコニーを選ばれる方も増えています。また、北向きではなくても、隣家やビルの影響で自然光が入りにくいお部屋も少なくありません。

マンションリノベーションや新築の住まいづくりを進めるなかで「北向きの部屋は暗いのでしょうか?」「日当たりの弱い部屋にはどんな壁紙やペイントの色を選んだらいいですか?」というご相談をいただくことがあります。

確かに北向きの部屋は南向きに比べて直射日光が入りにくく、自然光不足を感じやすいため「暗い」「寒々しい」といった印象を持たれることもあります。しかし実は、北向きや日当たりの弱い空間には、光がやわらかく安定しているからこその魅力があります。そしてその魅力を引き出す鍵となるのが“壁の色”です。

色を上手に取り入れることで、北向きや日当たりの弱い空間でも驚くほど心地よく、上質な雰囲気へと整えることができます。

今回は、ただ暗い部屋を明るく見せるだけではなく、空間そのものを美しく整えるための色選びのポイントをご紹介します。ぜひお部屋づくりの参考にしてみてください。

壁上部はホタテ貝のようなやわらかな色合いのNo.311 Scallop、壁下部は同系色でトーンを少し落としたNo.28 Dead Salmon。Farrow&Ballの2色の柔らかな色彩が織りなす癒しの空間です。
壁上部:No.311 Scallop / 壁下部:No.28 Dead Salmon

1. 北向きの部屋が暗く見える理由とは?

2. 実は魅力も多い|北向き・日当たりの弱い部屋のメリット4つ

3. 北向きの部屋を明るく見せる壁の色の選び方3つ

4. 北向きだからこそ楽しめるドラマチックな色使い

5. 色の微妙な違いを楽しむ|北向きだからこそ映えるFarrow&Ball

6. 北向きの部屋の壁色でよくある質問(FAQ)

7. まとめ


1. 北向きの部屋が暗く見える理由とは?

北向きの部屋は「暗い」と言われることが多いですが、まず知っておきたいのは“光の性質”です。南向きの部屋は一日を通して豊かな自然光に恵まれます。光と影のコントラストが生まれることで、空間に動きや奥行きを与えてくれます。

一方、北向きの部屋に入る光は、空から回り込んでくるやわらかな間接光が中心です。直接日光が入りにくいため光と影のコントラストが穏やかで、空間全体がグレーがかって見えることがあります。

また、一日を通して光の表情が大きく変化しないため、空間全体が静かで落ち着いた印象になりやすいのも特徴です。

北向きや日の光が入りにくい部屋では、むしろ柔らかい光の中で微細な色の変化を生み出すFarrow&Bllの塗料がおすすめです。

その結果、

・グレーやブルーが冷たく見えやすい
・くすみカラーが沈んで見える
・同じ色でも南向きより重たく感じる

ということが起こります。

住まいづくりやリノベーションでは、この光の特徴を理解した上で色選びをすることが大切です。

2. 実は魅力も多い|北向き・日当たりの弱い部屋のメリット4つ

「北向き・日当たりの弱い部屋=マイナス」というイメージを持たれる方は少なくありません。しかし実際には、北向きだからこそ得られる魅力も多くあります。

① 色が美しく見える(光が安定している)

北向きの光は、一日を通して大きく変化しにくい、柔らかな光です。直射日光のように色が白飛びして見えたり、時間帯によってオレンジ色の偏ったりすることが少なく、空間全体を均一に照らしてくれます。

実際に、美術館やアトリエで北向きの窓が採用されることが多いのもそのためです。また、均質な光は集中力を保ちやすく、制作作業にも向いていることから、かつての工場建築でも北向き採光(ノースライト)が取り入れられていました。

色が安定して見えるため、絵画や素材などの”本来の色”を正確かつ美しく捉えることができます。

つまり北向きの部屋は、“色を楽しむ空間”として非常に魅力的なポテンシャルを持つ方角と言えるのです。

②夏でも快適に過ごしやすい

近年の日本の夏は、以前よりも厳しい暑さを感じるようになりました。
東や西から直射日光が差し込む部屋では、光が強く入り込み、まぶしさや室温の上昇につながることも少なくありません。

その点、北向きの部屋は、

・室温が上がりにくい
・まぶしさを感じにくい
・冷房効率が良い

といった、穏やかな光環境ならではの快適さがあります。

特に寝室や書斎のように長時間過ごす空間では、この落ち着いた明るさが心地よさにつながりやすいのが特徴です。

③ 家具やインテリアを守りやすい

直射日光は、家具やファブリックに少しずつダメージを与えていきます。たとえば、

・木製家具の色褪せ

・床材の日焼け

・カーテンやラグの退色

・アートや書籍の劣化

といった変化は、紫外線によって確実に進行します。

北向きの部屋はこうした強い日差しを受けにくいため、お気に入りのインテリアを長く美しく保ちやすい環境です。アンティーク家具や天然素材との相性が良いのも、北向き空間ならではの魅力と言えるでしょう。

実はイギリスでも、北向き採光(ノースライト)は長く“理想的な光”として親しまれてきました。画家のアトリエや工房だけでなく、古い住宅や温室でも北向きの柔らかな光が重宝され、「色を美しく見せる光」として大切にされてきた歴史があります。

北向きの穏やかな光は、インテリアを守るだけでなく、空間に静かな落ち着きをもたらし、時間の流れさえ優雅に感じさせてくれます。

④ 景色が美しく見える

北向きの窓から見える景色は、実はとても鮮やかで美しいです。北向きの窓では、見る人の背後(南側)から光が差し込むため、写真でいう「順光」に近い状態になります。そのため、木々の緑や街並みの色彩を自然な色合いのままに楽しむことができます。一方、南向きの窓は、たっぷりの光が入る反面、外の景色を見ると「逆光」になりやすく、時間帯によっては影のシルエットとして眺める場合もあります。

北向きの窓から見える景色には、

・木々の深い色合い
・空の柔らかなグラデーション
・雨の日に浮かぶ繊細な陰影
・街並みのニュアンス

といった豊かな表情があります。

南向きの窓のように逆光になりにくいため、窓の外の風景そのものがインテリアの一部として溶け込みやすいのも北向きの魅力です。

高層マンションのバルコニーからの眺望や、緑・海など自然の広がりを望める環境であれば、北向きの景色は住まいに豊かな奥行きをもたらしてくれます。“外の景色を美しく楽しめる”こと。それもまた、北向き空間が持つ大きな魅力のひとつです。

Farrow&Ballのカラフルなペイントをテラコッタに塗ったお庭の風景。Farrow&Ballにはエクステリアの展開もあるので屋外でも美しい色彩を楽しむことができます。

3. 北向きの部屋を明るく見せる壁の色の選び方3つ

ここまでで、北向きの部屋が持つ魅力をご紹介してきました。
しかし実際には、「魅力は分かるけれど、もう少し明るく見せたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そんなときは、光の特性を理解したうえで色を選ぶことが大切です。
色にはそれぞれ光の反射率があり、同じ北向きの部屋でも選ぶ色によって印象は大きく変わります。
大切なのは、「とにかく白くすること」ではなく、北向きの柔らかな光と調和する色を選ぶことです。

①温かみのある白を選ぶ

北向きの部屋を少しでも明るく見せたい場合、多くの方がまず検討されるのが白系の色かと思います。
白は数ある色の中でも光を最も反射しやすいため、北向きの柔らかな光を室内全体に回し、空間を明るく見せる効果があります。
ただし、北向きの部屋では「とにかく真っ白にすれば良い」というわけではありません。

北向きの光は青みを帯びて見えることがあるため、真っ白を選ぶとかえって冷たく感じられる場合があります。そのため、アイボリーやオフホワイトなど、わずかに温かみを含んだ白を選ぶのがおすすめです。柔らかな北の光と調和しながら、落ち着きのある明るさをつくることができます。
Farrow&Ballには、こうした微妙な色味を持つニュートラルカラーが豊富に揃っています。微細な色の違いまで楽しみながら、自分らしい空間づくりをすることができます。

No.2004 Slipper Satin_No.213 Savage Ground_No.3 Off White ウォームなニュートラルカラーで統一された温かみのある洗練された空間
天井:No.2004 Slipper Satin / 壁:No.213 Savage Ground / アイランドキッチン:No.3 Off White

②ニュアンスカラーで奥行きをつくる

少しくすみを感じるベージュやトープ、ピンクベージュなどの穏やかな色も、北向きの部屋と好相性です。①でご紹介した白と同様に、ほんの少し温かみを感じる色を選ぶと、冷たくなりすぎず、空間に奥行きと上品な明るさを演出することができます。

また、①でご紹介したニュートラルカラーをベースに、少し濃いニュアンスカラーを重ねるようにコーディネートするのもおすすめです。
例えば、天井や大きな壁面は明るいオフホワイト、建具やアクセントとなる壁面にはベージュやトープを取り入れることで、空間に自然なグラデーションが生まれます。

北向きの穏やかな光は、こうした繊細な色の重なりを美しく見せてくれるため、単調になりがちな明るい空間にも豊かな奥行きと落ち着きをもたらしてくれます。

ニュートラルカラーのグラデーションペイントは、Farrow&Ballの非常に繊細な色の違いを楽しむのにとてもオススメなペイント方法です。Drop Clothの落ち着いたグレージュカラーの扉からMouse's Backの壁、上にかけてSchool House Whiteへと、徐々にトーンを上げていくことで、解放感がありつつもやわらな空間を演出しています。
正面壁:No.283 Drop Cloth / 収納:No.40 Mouse’s Back / 天井:No.239 Wimborne White / 左棚:No.291 School House White

ほんのりと赤みを帯びたNo.2003 Pointingを天井にペイントして、No.8 Stringの淡くくすんだクリームイエローを合わせたリラックスできるバスルーム。
天井:No.2003 Pointing / 壁:No.8 String

③少し明るく鮮やかな色を選ぶ

北向きの部屋では、色がやや沈んで見える傾向があります。光が少ない空間では色味が抑えられ、本来の印象より落ち着いて見えることもあります。そのため、色見本で見た印象よりもワントーン明るく、少し鮮やかな色を選ぶと、イメージしていた仕上がりに近づきやすくなります。

色選びの際は、候補の色だけでなく、その色に近い色味やワントーン違いの色も合わせて見比べてみましょう。Farrow&Ballならではの微妙な色の違いを比較することで、より納得感のある選択につながります。

No.37 Hayを壁全面に塗った解放感を感じさせる空間。しっかりアクセントカラーになっていますが、北向きの穏やかな光のおかげで柔らかく色を反射しています。
壁:No.37 Hay

4. 北向きだからこそ楽しめるドラマチックな色使い

一般的には、「北向き=暗い=白で明るくする」という発想になりがちですが、暗い部屋を明るく見せることだけが正解ではありません。

Farrow&Ballでは、むしろ暗い空間だからこそ、”深みのある色を大胆に使う”という提案が多くなされてきました。北向きの柔らかな光は、強い色をやさしく受け止めてくれるため、深いグリーン、ネイビー、チャコール、赤みを帯びたブラウンといった色も驚くほど美しくなじみます。

Reduced Greenは限りなく黒に近いグリーンで深く落ち着きのある色です。Bloccoli Brownを一緒に合わせることで暗さの魅力を感じさせる、ドラマチックな空間となっています。
壁中央:No.313 Reduced Green / 壁両サイド:No.198 Broccoli Brown

こうした深みのある色は空間の境界を曖昧にし、部屋全体を包み込むような落ち着きと安心感を生み出します。

さらに、壁・建具・天井を近いトーンでまとめることで、コントラストが和らぎ、空間に一体感と静かな高級感が生まれるのです。これは“暗い部屋を無理に明るく見せる”のではなく、“暗さそのものを魅力へと変える”という考え方です。

夜の照明計画も同様です。空間全体を均一に明るく照らすのではなく、読書をするソファ横のスタンドライトや、テーブルを照らすペンダントライトなど、必要な場所に光を配置することで美しい陰影が生まれます。作業に必要な明るさを確保しながらも、ホテルのラウンジのような落ち着きやドラマチックな雰囲気を演出することができるのです。

少し大胆かなと感じる色であっても、北向きの穏やかな光がやさしく受け止めてくれるため、派手になりすぎず上品な華やぎとして空間に溶け込みます。ホテルライクな非日常を感じる空間や、包み込まれるような落ち着きを求める方にとって、北向きの部屋は大きな可能性を秘めています。

Bamboozleは鮮やかな赤ですが、光が優しく差し込む空間では、色のきつさはなく、非常に上品で華やかに演出してくれます。
壁:No.304 Bamboozle

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5. 色の微妙な違いを楽しむ|北向きだからこそ映えるFarrow&Ball

色の微妙な違いを楽しめるのも、北向き空間とFarrow&Ballの魅力。

ここまでお話してきたように、北向きの部屋には、絶妙なニュートラルカラーからドラマチックな深い色まで、さまざまな色の可能性があります。
そして Farrow&Ball のペイントの魅力は、何より “色の微妙なニュアンスを繊細に表現できること” にあります。特にニュートラルカラーは、初めて見る方にとっては「どこが違うのだろう」と思うほど、わずかな色味の違いを持つ色が豊富に揃っています。

例えば、同じ“グレー”とひとことで言っても、青みを感じるグレー、緑みを含んだグレー、赤みを帯びたグレー、といったように、色の方向性はさまざま。

微細な色の変化を楽しむことができる北向きの部屋にFarrow&Ballのニュートラルカラーをつかうことで空間の魅力を最大限に引き出します。
壁:No.241 Skimming Stone / 天井・建具・木部: No.239 Wimborne White
No.264Oxford Stoneと淡く優しいベージュとNo.255Tanner’sBrownのダークブラウンの組み合わせが包まれるような落ち着きの空間を作り出しています。
壁:No.264 Oxford Stone / 巾木・ドア枠:No.255 Tanner’s Brown


そして 北向きの柔らかな光の中では、その違いが驚くほど表情に現れます。Farrow&Ball のマットな質感のペイントは、光をやわらかく拡散し、過度な反射を抑えながら自然な陰影を生み出します。
そのため、ただ明るいだけの空間ではなく、光と影が静かに移ろう“奥行きのある空間” が生まれます。

豊富な顔料によって色に深みが宿り、時間帯や照明によって静かに表情を変えていくのも大きな特徴です。特に北向きの穏やかな光の中では、その変化がより美しく感じられます。

また、塗装の魅力は、“質感を伴った美しさ” を空間全体でつくり出せることにあります。
Farrow&Ball のペイントなら、壁と建具の色を揃えることも容易で、コントラストを抑えた統一感のある空間づくりが叶います。

北向きの部屋の静けさや柔らかな光と相まって、色・光・質感が調和した、上質で落ち着きのある空間が生まれるのです。

リノベーションを成功させるカラーコンサルタンシーサービス
英国の最高級ペイントブランド
Farrow&Ball銀座サロン

空間の光や質感に寄り添いながら、プロが最適な色をご提案いたします。 色選びにお悩みの方も、安心してご相談いただけます。

6. 北向きの部屋の壁色でよくある質問(FAQ)

Q. 北向きの部屋でも濃い色は使えますか?

A. もちろん使えます。北向きの柔らかな光は、ドラマチックなダークカラーや少し派手かなと思われるような濃い色を落ち着いて見せてくれるため、相性の良い環境でもあります。

Q. 白以外で北向きの部屋を明るく見せる色はありますか?

A. 前の質問でご紹介したように、北向きの部屋では深い色を楽しむこともできます。一方で、「少しでも明るく見せたい」という場合には、グレージュや温かみのあるグレー、ダスティなピンク、やわらかなイエローなど、彩度を抑えたウォームトーンがおすすめです。

真っ白は光をよく反射するため明るく感じられますが、北向きの光のもとでは少し冷たく見えることがあります。そのため、わずかに温かみを含んだ色を選ぶことで、明るさと心地よさを両立しやすくなります。

Q. 北向きの暗い部屋の壁紙・ペイントで、失敗しやすい色(避けた方がいい色)はありますか?

A. 青みの強いグレーや淡いブルーは、光が少ししか入らない空間では、冷たく沈んで見えることがあるため注意が必要です。照明環境などでも見え方は変わりますが、気になる場合は、同じ明るさでも少し温かみを感じる色や、ワントーン明るい色も候補に加えて比較検討されることをおすすめします。

Q. 北向きの部屋で、自分の理想の雰囲気に合う色が分からず、微妙な色の違いも判断できません。どうすればいいですか?

A. Farrow&Ball 銀座サロンでは、カラーコンサルタンシーサービスをご用意しています。
お客様一人ひとりの理想のインテリアスタイルに寄り添い、Farrow&Ballのカラースキームを軸に、床材・ファブリック・家具など他社製品も含めて空間全体の色合わせをトータルでアドバイスいたします。
北向き特有の光の質やお部屋の雰囲気に合わせた最適な色選びをサポートしますのでひとりで悩まれる前にぜひお気軽にご相談ください。

7. まとめ

北向きの部屋は、決して「条件の悪い部屋」や「明るい部屋の代替」ではありません。柔らかな光、穏やかな陰影、時間帯によって静かに変化する色。そこには、南向きの空間とは異なる魅力があります。

Farrow&Ballでは、光を無理に変えるのではなく、その空間が持つ個性を色で引き立てることを大切にしています。暗いから白くする。ではなく、その光だからこそ美しく見える色を選ぶ。

そんな視点で空間を整えてみると、北向きの部屋はきっと今まで以上に心地よい場所になるはずです。

マンションリノベーションや戸建ての住まいづくり、壁紙やペイント選びでお悩みの方は、ぜひFarrow&Ball銀座サロンで実際の色や光による見え方の違いをご体感ください。

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