2025.12.19

カラーコンサル

施工事例

色で会社が変わる!色の効果で「選ばれる企業」へ。工場リニューアルがもたらす意識変革とウェルビーイング

近年、企業が直面している課題は、生産効率の向上だけではありません。人手不足が深刻化する中、いかに「ここで働きたい」と思ってもらえるか、いかに長く定着してもらえるかという「選ばれる企業づくり」が急務となっています。

廣川ホールディングスグループの中核として食品用パッケージ製造を担う株式会社エースパック様は、今回、カラーコンサルタンシーサービスによるオフィスと工場の大幅リニューアルを行い、『色』の力で課題解決の糸口を見出しました。

「工場だから暗くても仕方がない」「作業場だから殺風景でいい」という固定概念を捨て、色が持つ「空間を広く見せる効果」や「心理的な意識変革」を会社に取り入れ、働く人が誇りを持てる空間へと生まれ変わらせました。

色の効果で働く人の気持ちがアップ!

「作業場」から「クリエイティブな現場」へ

株式会社エースパック様のカラーコンサルタンシーサービスで作りだした色彩計画は、そこで働く人々の心をポジティブな方向へ導くための色彩計画でした。閉塞感を感じやすい空間には開放感を与える色を、単調になりがちな空間には活力を与える色を、それぞれのエリアに意図を持った色を配置することで、「今日もここで頑張ろう」と自然と前向きになれる環境を作り上げることを意識しました。
ただ壁の色を変えるだけで、そこで働く人のマインドや会社全体の空気感までもが劇的に変わります。

「また午後から頑張ろう」と思える、エネルギーチャージの緑の休憩室

オフィスのウェルビーイングを叶えるカラーコンサルタンシー事例
休憩室:壁紙 6102 Stripe/No.CB1 Hog Plum/柱No.CB6 Raw Tomatillo/天井No.CB9 Au Lait

休憩スペースにおいて求められるのは、単なる食事ではなく、心と体を短時間でリセットすることです。ここでは、Farrow&Ballの鮮やかなグリーン系を採用しました。グリーンは、まさに自然の息吹を感じさせるトーンであり、色彩心理学において目の疲労回復を助け、ストレスを軽減する効果があるとされます。

また、遊び心のあるストライプ柄とグリーンの柱の組み合わせは、堅苦しさを解きほぐし、ポジティブなコミュニケーションを生むきっかけとなります。そしてボーダーの壁紙は、空間を広く見せる効果も。

色がもたらす心地よい刺激が、午後の活力へと繋がる、ウェルビーイングの中核となるエリアです。閉鎖的になりがちな屋内の印象を一掃し、まるでオープンカフェにいるような開放感と明るさをもたらします。

休憩室
休憩室Before
リノベーションを成功させるカラーコインサルタンシーサービス
リノベーションを成功させる
カラーコンサルタンシーサービス

プロのカラースタイリストがお客様の理想の空間を丁寧にヒアリングし、リノベーションに最適なカラースキームをご提案します。

「ただ食事をとる場所」から「カフェのように気分転換ができる空間」に。

オフィスのウェルビーイングを叶えるカラーコンサルタンシー事例
社員食堂After:壁 No.CB2 Roasted Macadamia/天井 No.CC7 Stoke/アクセント壁 6014 Stripe

社員食堂は、まるでカフェテリアのような空間にリニューアルされました。お昼を快適に過ごすことで気持ちをリフレッシュさせ、働く人々のモチベーションアップを期待されます。

また、社員食堂でのミーティングに必要な集中力の効果を高めるために、落ち着いたニュートラルカラー(グレー、ブラック)を基調としました。この落ち着いたトーンは視覚的なノイズを最小限に抑え、情報処理能力をサポートします。露出した設備も同系色で統一することで、空間全体に洗練された一体感が生まれました。

食堂Before
社員食堂After:壁 No.CB2 Roasted Macadamia/天井 No.CC7 Stoke/アクセント壁 6014 Stripe

全体のカラーデザインを整えると同時に、暖かな木目調のテーブルや床の一部が、無機質になりすぎない人間的な温かみを加えています。このバランスが、長時間の作業でも疲弊せず、思考を深く掘り下げられる持続可能な集中環境を実現しています。

階段廊下をリズムの良い空間にする工夫

通路や階段、そして水回りといった、何気ない日常の移動空間の質は、従業員の満足度と誇りに直結します。

階段Before
オフィスのウェルビーイングを叶えるカラーコンサルタンシー事例
階段After:天壁No.274 Ammonite/T壁No.255 Tanner’s Brown/奥壁No.284 Worsted

廊下や階段室といった動線には、コントラストの効いたモノトーン配色を採用し、安全性を確保しつつ、次の空間への視覚的なリズムを生み出しました。

オフィスのウェルビーイングを叶えるカラーコンサルタンシー事例

トイレ・パウダールームは温かみのあるニュートラルベージュと濃いブラウン(または黒)のコントラストを採用。ここは短時間で心をリセットするための個人的な空間で、従業員がリフレッシュできる質の高い空間を提供しています。

お客様を最初にお迎えし、社員が毎日を通るエントランスは、まさに企業の「顔」となる重要なエリアです。ここでは、光と影の芸術で世界的に知られる和紙作家・堀木エリ子氏の和紙造形を空間の主役に据え、その幽玄な美しさを最大限に引き立てるための色彩計画を行いました。

玄関Before
玄関After:正面壁 No.284 Worsted/天井 No.275 Purbeck Stone

背景となる壁面には、織物のような温かみを感じさせるグレー『No.284 Worsted』と、自然な石の色合いを持つ『No.275 Purbeck Stone』を採用。Farrow&Ball特有の粉っぽさを含んだマットな質感が、和紙を通した柔らかな光を優しく受け止め、まるで美術館の一角のような静謐(せいひつ)で上質な空気を醸し出しています。

アートと背景色が互いに響き合うこの空間は、単なる工場の入り口という枠を超え、訪れる人々に株式会社エースパック様の「モノづくりへの繊細なこだわり」と「革新性」を直感させる、象徴的なプロローグとなっています。

社員の声:日常に生まれた「働きがい」と「誇り」

新しく生まれ変わった空間は、従業員にとって「行きたくなる場所」「誇れる場所」へと変化しました。

スタッフの方からは、「今までは食堂に行かなくてもいいかなと思うこともあったのですが、行くのが楽しくなりました。癒されます。」「会議室、まるでオフィスみたいです。お客様にもオシャレとほめていただけます。」など、嬉しいお言葉をいただいています。

エントランス横Before
エントランス横After
応接室Before
応接室After
オフィスBefore
オフィスAfter
オフィスBefore
オフィスAfter


廣川社長のコメントは、このリニューアルが一時的な改装ではなく、持続的な成長を目指す「ウェルビーイング経営」の中核であることを明確に示しています。

「通常日本の工場は機械などの設備投資には何十億とかけるけど、働く人の環境はないがしろにしていることが多い。でも設備は7~10年で壊れてしまう。 従業員は大切にしたら、何十年と働いてくれるので、本来はそこに投資するべき。」

「そこに投資していない昭和の会社がたくさんあるので、Farrow&Ballさんの力を発揮する場がたくさんあると思う。 2年後くらいに鳥取の工場をリニューアルする予定なので、その時も内装はカラーワークスさんにお願いしたい。」と嬉しいお言葉もいただきました。

色でつくる「働いて嬉しい」という価値

株式会社エースパック様がカラーコンサルタンシーサービスで行った色彩設計は、単なる内装のリニューアルではなく、「人」を中心に据えたウェルビーイング経営そのものでした。

Farrow&Ballの塗料が持つ奥行きのある色と質感が、それぞれの空間に求められる心理的な効果を最大限に引き出し、「集中」「リフレッシュ」「そこで働く誇り」のサイクルを確立しました。色が心身の健康、集中力、そして会社への愛着といったウェルビーイングの要素全てを向上させるための、具体的な経営戦略として機能しています。

Farrow&Ballのカラーコンサルタンシーサービスは、単なる美しい色選びの枠を超え、そこで働く人々の感情やモチベーションに深く寄り添う大切な要素になり得ることを、今回のプロジェクトが改めて教えてくれました。

色が持つ力が、企業の価値創造を支える確かな一助となることを願っています。

リノベーションを成功させるカラーコインサルタンシーサービス
リノベーションを成功させる
カラーコンサルタンシーサービス

プロのカラースタイリストがお客様の理想の空間を丁寧にヒアリングし、リノベーションに最適なカラースキームをご提案します。

関連記事

蓼科のオーベルジュ「ホテル ドゥ ラルパージュ」の色彩設計

【暮らしとアートと空間の色】アーティゾン美術館で開催中の『空間と作品』展でカラーサポートをさせていただきました

Before/Afterでよくわかる!Farrow&Ballのカラーで”空間はここまで変わる”室内ペイントリノベーション(内装塗装工事)の魅力と費用の目安

【リノベーションを最後まで楽しむ!】インテリアの色彩計画をプロに相談!日本初のカラーコンサルタンシーサービス