2026.04.23

施工事例

人気インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエに学ぶ、光と色が主役の空間づくり

雪に覆われた静かな林間に佇む、黒い外壁のアトリエ。ミニマルな平屋建築に、光を反射する広々としたウッドデッキと大きなガラス扉が配され、自然と調和するモダンな空間づくりを象徴している。

人気スタイリストとして長年、第一線の感性を発信し続けている黒田美津子さんが、北軽井沢に構えた念願のアトリエ「Laboratoryy_Fern(ラボラトリー・ファーン)」。厳選されたヴィンテージ家具やアートが配置されたこの空間を包み込むのは、Farrow&Ball(ファロー&ボール)の繊細な色彩です。今回は、黒田さんが選んだ色と、そのこだわりが生む空間の魅力に迫ります。

北軽井沢の光と呼応する美しい「白」選び

「家を建てるのではなく、手持ちの家具や作りたいシーンを活かす建物を考えた」と語る黒田さん。内装のベースカラー選びではFarrow&Ball銀座サロンを訪れ、プロのコンサルテーションを通じてNo.274 AmmoniteとNo.57 Off-Blackを選び出しました。

インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエに使う色の打ち合わせ風景。テーブルには多数のカラーチップや素材サンプル、デザイン雑誌が広げられ、FARROW&BALLのプロのカラースタイリストに相談している。
インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエに使う色の打ち合わせ風景。テーブルには多数のカラーチップや素材サンプル、デザイン雑誌が広げられ、FARROW&BALLのプロのカラースタイリストに相談している。

内装の主役となったNo.274 Ammoniteは、ブランドの故郷である英国ドーセット地方の海岸で発見された、古代の化石に由来する色。クールさと温かみの絶妙な均衡を保つこのニュアンスカラーは、どんなインテリアスタイルにも寄り添い、空間に穏やかな安らぎをもたらします。

インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエ内観。自然光が惜しみなく注ぐ真っ白な空間に、力強い古材の梁がコントラストを描く。ミニマルなキッチン、温かみのある北欧デザインの木製家具、そして生活に温もりを添える薪ストーブが配され、光と色が調和したスタイリッシュかつ心地よい居住空間を体現している。

ややグレイッシュを帯びたこの色は、大きな窓から差し込む光の強さや角度によって、凛とした表情にも包み込むような柔らかい表情にも変化します。黒田さんが愛用するアンティーク家具の木肌とも美しく調和し、大切なアートや名作家具を鮮やかに、かつ優しく引き立てます。

白を基調としたアトリエのダイニング。北欧のヴィンテージ家具を思わせる木製のダイニングテーブルとペーパーコードのチェアが、空間に温もりを与えている。左手の白いシェルフにはガラス器やオブジェが美しく整列し、背後の古材の梁が新旧の素材の対比を際立たせる。光が差し込む中で、機能性と美意識が同居したスタイリングの真骨頂。

白を基調としたアトリエのダイニング。北欧のヴィンテージ家具を思わせる木製のダイニングテーブルとペーパーコードのチェアが、空間に温もりを与えている。左手の白いシェルフにはガラス器やオブジェが美しく整列し、背後の古材の梁が新旧の素材の対比を際立たせる。光が差し込む中で、機能性と美意識が同居したスタイリングの真骨頂。
白を基調としたアトリエのダイニング。北欧のヴィンテージ家具を思わせる木製のダイニングテーブルとペーパーコードのチェアが、空間に温もりを与えている。左手の白いシェルフにはガラス器やオブジェが美しく整列し、背後の古材の梁が新旧の素材の対比を際立たせる。光が差し込む中で、機能性と美意識が同居したスタイリングの真骨頂。

黒と自然のコントラスト

室内が光のグラデーションを楽しむ空間である一方、建物の外観や細部には力強いコントラストが効いています。外装には、COLORWORKSの屋外木部専用保護塗料「Wood Natural -Garden-」のBlackをセレクト。風雨や紫外線、カビ、害虫から木材を守る機能性を備えつつ、上品な発色を実現した、美しさを追求する黒田さんらしい選択です。

雪に覆われた静かな林間に佇む、黒い外壁のアトリエ。ミニマルな平屋建築に、光を反射する広々としたウッドデッキと大きなガラス扉が配され、自然と調和するモダンな空間づくりを象徴している。

また、庭にある倉庫にはNo.57 Off-Blackを採用。深い闇のような黒が周囲の木々の緑を引き立て、森の中に静かに佇む存在感を際立たせています。マットな質感が光を吸収しながらも、自然界の影に近いトーンであるため、人工物特有の違和感を与えません。

内装の淡いグレーと、外装の深い黒。このコントラストが、北軽井沢の清廉な空気をより一層研ぎ澄ませているのです。

オフブラックの外壁に、一灯のブラケットライトが温かな光を投げかけるアトリエのディテール。壁面には質感の異なる木材の端材や耳付き板が立てかけられ、無機質な建材と有機的な自然素材が美しく共生している。静寂な夜の訪れを予感させる、光と色の繊細な構成。

日常を上質にする色彩の力

Farrow&Ballの色彩が彩る住まいは、住む人の自分らしさを引き出し、深い安らぎを与えてくれます。
黒田さんのアトリエのように、窓からの景色を「最高のアート」へと変貌させる色の魔法。四季折々の光や照明によって移ろいゆく表情が、日々の暮らしをより上質なものへと導いてくれるでしょう。

Laboratoryy_Fernは撮影スタジオとしてのご利用も可能。
詳細 HP: https://laboratoryy.com/fern_barn/

黒田美津子
インテリアスタイリスト、スタイルディレクター

『Hanako』誌(マガジンハウス)1988年創刊時より編集に参加。以後、多数の女性誌、デザイン誌でデザイン・インテリア関連記事の編集、執筆、スタイリングを担当。現在は雑誌のほか、広告美術、住宅や展示会、商業施設、店舗、美術館の空間構成やスタイリングやVMDから個人邸まで、さまざまな空間のインテリアと空間演出を手がけている。

名称:Laboratoryy_Fern_Barn
場所:群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢

Photo by Shun Yokoi (t.h.i.d.a)
竣工写真/横井隼 (t.h.i.d.a)
Interior : Mitusko Kuroda (Laboratoryy) instagram: @mituslab @laboratoryy_fern_barn
インテリアディレクション:黒田美津子(Laboratoryy)

白で統一された洗練されたサニタリースペース。ミーレ(Miele)の洗濯機が組み込まれたミニマルなカウンターには、真鍮の輝きを放つヴィンテージランプや、季節を添えるグリーンの枝が飾られ、実用的な空間をアートのように演出している。木枠の鏡が白壁に温もりを添え、細部にまで黒田美津子さんの美意識が息づく。
大きな窓から自然光が差し込む白い部屋のレイアウト。左手には暖色系のカバーがかかったデイベッドと複数のクッション、手前にはシープスキンのラグ。中央にはラフな質感の木製サイドテーブル、右手にはレザー座面の木製アームチェア(サファリチェア)が配置されている。窓の外には裸木が広がり、天井からは繊細なペンダントライトが吊るされている。
白で統一された洗練されたサニタリースペース。ミーレ(Miele)の洗濯機が組み込まれたミニマルなカウンターには、真鍮の輝きを放つヴィンテージランプや、季節を添えるグリーンの枝が飾られ、実用的な空間をアートのように演出している。木枠の鏡が白壁に温もりを添え、細部にまで黒田美津子さんの美意識が息づく。
インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエにあるワークスペース。白い壁に溶け込むフロートタイプのデスクとシェルフが、浮遊感のある軽やかな空間を演出している。ジオ・ポンティの名作「スーパーレッジェーラ」を思わせる繊細なチェアが置かれ、窓からの柔らかな光と影が、ディスプレイされた本やキャンドルの陰影を美しく描き出す、思考を深めるためのスタイリング。
インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエにある、光と影が交差する廊下のしつらえ。白いマットな収納扉には、窓外の木々が映し出す繊細な影が描かれ、自然の息吹が室内へと溶け込んでいる。窓辺のピッチャーに生けられた白いチューリップと、空間をモダンに引き締める細身のペンダントライトが、静謐な美しさをいっそう際立たせている。
インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエ窓辺を彩る静物。雪景色の青白い光を背景に、淡いピンクの装丁本、瑞々しい白いチューリップを生けた陶器のピッチャー、そして古びた鍵が並ぶ。暖色と寒色が繊細に響き合い、静かな冬の日の物語を予感させる、色彩と質感のプロフェッショナルなスタイリング。
インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエのエントランスホール。グレーのタイル床と白い壁面が織りなすミニマルな空間に、あえて大きな「余白」を残すことで、静謐な空気を生み出している。床に直置きされたブロンズ色のジャグとグリーンの枝、そしてアルヴァ・アアルトのデザインを彷彿とさせるスツールが、ギャラリーのような凛とした佇まいを添えている。
インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエを彩る、松ぼっくりの付いた繊細な枝のディスプレー。無機質な白い壁に、有機的な枝のラインが美しいコントラストを描き出している。自然界の造形美をそのままインテリアに取り入れることで、ミニマルな空間に季節感と温もりを添える、プロフェッショナルな感性が光るスタイリング。
冬の林に静かに灯る、ルイスポールセン(Louis Poulsen)を彷彿とさせる北欧デザインのガーデンライト。雪に覆われた地面と深い森の青白いトーンの中で、ポールから漏れる温かな光が、黒田美津子さんのアトリエが持つ「安らぎ」を象徴している。自然の厳しさと、計算された照明計画による美しさが同居する、アトリエの環境を物語る一枚
インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエに訪れる、静かな夕暮れのひととき。ブラインドの隙間から漏れる夕陽が、冬の木立を背景に美しいストライプの光を室内へと運び、一灯のペンダントライトが闇の中に温かな居場所を作り出している。光と影が交差する瞬間の美しさを捉えた、空間の情緒を深く描き出すスタイリング。
インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエ玄関。焼き杉を思わせるマットな黒の木外壁に、白木の明るい玄関ドアが鮮やかなコントラストを描き出している。細身の黒いアイアン手すりと、質感豊かなレンガの階段が、ミニマルな建築にリズムと温もりを添える。厳かな冬の森に溶け込みながら、訪れる人を温かく迎え入れる「光と影」の象徴的なデザイン。
インテリアスタイリスト・黒田美津子さんのアトリエ、夜の表情。深い闇に溶け込む黒い縦羽目板の外壁に、正方形のブラケットライトが一灯、温かなオレンジ色の光を放っている。足元に立てかけられた薪の切り出しは、屋内の薪ストーブの温もりを予感させ、ミニマルな外観の中に「人の営み」を灯す、静謐でグラフィカルなスタイリング。