2026.08.24

カラーコンサル

施工事例

豊かな自然と光に溶け込む。遊び心あふれるカフェ兼宿泊施設「Heart Ranch」

海外のカフェのような心地よさを、大自然の中に

北海道・標茶町の雄大な自然に囲まれた「Heart Ranch」。

窓いっぱいに広がる緑豊かな景色と、やわらかな自然光に包まれたこの場所には、まるで海外のカフェを訪れたような、心がほどける時間が流れています。

今回ご紹介するのは、カフェと宿泊施設を兼ねた空間づくりの施工事例です。

「大自然の中に、海外のカフェのような遊び心のある空間をつくりたい。」

そんなオーナー様の想いを出発点に、Farrow&Ballならではの奥行きある色彩を用いて、訪れる人が自然と集い、語らい、何度でも帰ってきたくなる場所をデザインしました。

Farrow&Ballの優美な淡いピンク「No.230 Calamine」の壁と、ニュアンスのあるセージグリーン「No.79 Card Room Green」のモールディング腰壁が、木目と心地よく調和する温かみのある北欧モダンなカフェカウンター。
壁:No.230 Calamine / カウンター:No.79 Card Room Green

自然光まで計算した、カラープランニング壁:No.230 Calamineとカウンター:No.79 Card Room Green

カフェのメインカラーに選ばれたのは、淡く上品なピンクNo.230 Calamine。オーナー様が最初にイメージされていたのは、もう少し明るいピンクでした。しかし現地は一日を通して豊かな自然光が差し込む環境。強い光の中でも白く飛ばず、美しい表情を保てるよう、カラースタイリストは一段深みのあるNo.230 Calamineをご提案しました。

グレーをほのかに含んだこのピンクは、時間帯によってやわらかく表情を変え、朝・昼・夕暮れと異なる景色を壁に映し出します。

自然光とともに変化する色そのものが、この場所だけの魅力となっています。

ピンクとグリーンが生み出す、海外のカフェのような遊び心

空間のアクセントとなるカウンターには、深みのあるグリーンNo.79 Card Room Green を採用。
ピンクとグリーンは色彩理論では補色の関係にあり、お互いの美しさを引き立て合います。
やさしく包み込むNo.230 Calamineと、落ち着いたNo.79 Card Room Green。
この絶妙なコントラストが、空間にリズムと奥行きを与え、海外のカフェを思わせる洗練された雰囲気を演出しています。
さらに窓の外に広がる北海道の豊かな緑とも自然につながり、室内と風景がひとつの景色として調和するインテリアとなりました。

壁:No.230 Calamine / カウンター:No.79 Card Room Green
柔らかな薄ピンク(o.230)の壁に囲まれた、高天井で開放的なカフェスペース。ボタニカル柄の華やかなソファや木製家具が心地よく配置されている。
壁:No.230 Calamine

色で楽しむ、宿泊体験

宿泊スペースには、「何度訪れても新鮮な時間を過ごしてほしい」という想いが込められています。2階の客室は、それぞれ異なるカラーコンセプトでコーディネート。

ひとつはNo.230 Calamineを基調に、やや濃い目のピンクNo.246 Cender Roseをアクセントに彩ったやさしく穏やかな空間。

壁:No.230 Calamine / No.246 Cinder Rose
壁:No.230 Calamine

もうひとつは、No.266 Mizzle と No.289 Inchyra Blue を組み合わせた、自然を感じる落ち着いたグリーンの空間です。
同じ建物でありながら、まったく異なる世界観を楽しめるため、訪れるたびに新しい発見があります。

壁:No.266 Mizzle / No.289 Inchyra Blue
壁:No.266 Mizzle

色で演出する「期待感」というデザイン

1階から2階へ続く階段には、落ち着きのあるウォームグレーNo.284 Worsted を採用。
さらに天井や洗面室、トイレにはNo.275 Purbeck Stone を組み合わせ、グレーの濃淡で空間を構成しました。

壁:No.284 Worsted / 階段天井・トイレ・洗面室:No.275 Purbeck Stone
壁:No.284 Worsted / 階段天井・トイレ・洗面室:No.275 Purbeck Stone

あえて色を控えたこのエリアは、まるでトンネルのような存在。
階段を上がり、客室のドアを開けた瞬間に鮮やかな色彩が目に飛び込むよう設計されています。
色のコントラストによって、宿泊体験そのものに”サプライズ”を生み出す動線計画です。

色のストーリー

Calamineという名前は、子どもの肌に塗るカーマインローションに由来しています。

ほんのりグレーを含んだ繊細なピンクは、19世紀のイギリスではカントリーハウスの待合室や婦人の私室などにも使われてきました。

甘さだけではない落ち着きと品格を兼ね備えたこの色は、自然光を受けることで豊かな表情を見せ、時間の流れまで美しく感じさせてくれます。

壁:No.230 Calamine / カウンター:No.79 Card Room Green

一方、No.79 Card Room Greenは、静けさと深みを持つクラシカルなグリーン。

No.230 Calamineとの組み合わせによって、お互いをより美しく引き立てながら、空間全体に心地よいリズムを生み出しています。

壁:No.230 Calamine / カウンター:No.79 Card Room Green

そして外に広がる北海道の雄大な自然とも響き合い、室内と風景がひとつにつながるような体験を演出しています。

2階へと続く階段に採用されたNo.284 Worstedと、トイレや洗面室に繋がるNo.275 Purbeck Stoneは、どちらも温かみを感じさせる上質なウォームグレー。

壁:No.284 Worsted / 階段天井・トイレ・洗面室:No.275 Purbeck Stone
壁・天井:No.275 Purbeck Stone
1Fトイレ:No.275 Purbeck Stone / BP5401 Gable
壁・天井:No.275 Purbeck Stone

このグレーのグラデーションが空間に美しい「奥行き」をもたらし、1階のパブリックな熱気から、2階のプライベートな癒やしの空間へと優しく心を切り替えてくれます。

FARROW&BALLについて

Farrow&Ballの塗料は、豊富な顔料によって生まれる奥行きのある色彩が特長です。光を受けるたびに表情を変え、木や石、植物といった自然素材とも美しく調和します。

今回のプロジェクトでは、オーナー様の感性とFarrow&Ballの色彩が重なり合うことで、単なるカフェや宿泊施設ではなく、「また訪れたくなる体験」を生み出す空間が完成しました。

壁の色を変えることは、インテリアを変えることではありません。

そこに流れる空気や、人との時間、その場所で過ごす記憶までデザインすること。

Farrow&Ballは、これからも色を通して、その場所にしかない豊かな物語をつくり続けます。

施設名:Heart Ranch(ハートランチ牧場)

所在地:北海道川上郡標茶町阿歴内原野北1線128-4

HP:https://heartranch.jp/
instagram:https://www.instagram.com/heartranch.jp/


ブランド:Farrow&Ball

色番号・色名:

No.230 Calamine(1Fメイン・2F洋室)

No.79 Card Room Green(1Fカウンター)

No.266 Mizzle・No.289 Inchyra Blue(2F洋室)

No.284 Worsted(階段壁)

No.275 Purbeck Stone(階段天井・トイレ・洗面室)

BP5401 Gable(1Fトイレ)

建築地:北海道