2025.10.14

カラーコンサル

施工事例

蓼科のオーベルジュ「ホテル ドゥ ラルパージュ」の色彩設計

今回は、長野・蓼科に佇むオーベルジュ「ホテル ドゥ ラルパージュ」様の色彩設計(カラーコンサルタンシーサービス)の事例をご紹介します。

※カラーコンサルタンシーサービスとは・・・色の専門家であるカラースタイリストが、空間の条件やライフスタイルを踏まえて最適な配色を提案するサービス。(色彩設計) 住宅・店舗・企業ブランディングなど幅広く活用されています。  

オーナー様が目指されたのは「美しいフランスの邸宅」でした。その実現に向けて、当初はフランスの塗料が良いと考えていらっしゃいましたが、Farrow&Ballの色と出会い、ペイントの色の美しさはもちろんのこと、白の豊富さ、そして部屋の方角によってお薦めの白が異なるといった体系的な色の理論が確立されている点を高く評価してくださいました。

また、海外メーカーでありながら、日本国内でカラーコンサルティングのサービスを受けられるという点も、プロジェクトを進める上で大きな安心材料となり、ご採用の決め手になったとお話をいただきました。

プロのカラースタイリストと色彩計画を立てる

プロのカラースタイリストがお客様の理想の空間を丁寧にヒアリングし、 リノベーションに最適なカラースキームをご提案します。

リノベーションを成功させる カラーコンサルタンシーサービス >

ホテル ドゥ ラルパージュ

このプロジェクトは、単なる色選びを超え、オーナー様の持つ「フランスの邸宅のような上質さ」という揺るぎないビジョンを、Farrow&Ballの色彩と質感で具現化しました。

ホテルドゥラルパージュのレセプション。Farrow&BallNo.24 Ballroom Blue を使用し、光が差し込む明るい空間を演出
レセプション No.24 Ballroom Blue

ホテルドゥラルパージュのレストラン 。No76 Folly Green/No9906 Potted Shrimpの2色を使用することで、リズム感のある空間を演出し会話が弾む空間に。
レストラン No.76 Folly Green/No9906 Potted Shrimp

オーナー様ご自身が感じられた、Farrow&Ball採用の真価と、お客さまの反応を交え、その物語を深くお伝えします。

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ホテル ドゥ ラルパージュを彩るFarrow&Ballの色

ホテル ドゥ ラルパージュが提供するのは、わずか全12室という限られたゲストのための特別な時間。

そのため、一律の配色を採用するのではなく、各客室が持つ構造、光の入り方、そして個性に合わせて、多様なFarrow&Ballの色彩を丁寧に使い分けました。

例えば、一部の客室はヨーロッパらしい涼やかな色調でまとめられ、屋根の傾斜を活かした空間が非日常の魅力を提供しています。

ホテルドゥラルパージュの3F客室スイート・壁にはNo.82 Dix Blueと壁紙 946 St Antoine、ドア巾木モールディングにはNo.239 Wimborn Whiteを使用。自然光が柔らかく反射し、上品で安らぎのある空間を演出。
3F客室スイート 壁 No.82 Dix Blue/壁紙 946 St Antoine/ドア巾木モールディング No.239 Wimborn White

一方で、別の客室は落ち着きのある温かい色調を基調とし、深い安堵感とくつろぎを演出しています。

2F客室に使用されたこの白は色彩計画を進める中で、オーナー様が「一番お気に入りの色」として挙げられたNo. 59 New Whiteです 。

ホテルドゥラルパージュの3F南側客室 壁 No.59 New White。温かみのある白を使い、自然光が入り、上品で安らぎのある空間を演出。
3F南側客室 壁 No.59 New White

どの客室も色を使って安心感やリラックス空間を演出し、単なる宿泊スペースではなく、「帰りたくなる場所」として安らぎの部屋を実現しました。

また、ウィンターガーデンや回廊、廊下など、いたるところにNo.2009 Clunchが使用されています。

この白も「穏やかさ」「リラックス感」「安心感」を伝える色です。

ホテルドゥラルパージュのウィンターガーデン。壁は温かみのあるNo.2009 Clunchを使用。色が薄いのに冷たさが無く、暖かみがある色を取り入れました。
ウィンターガーデン 壁 No.2009 Clunch

この色を選ばれた理由は、「黄色味を帯びた明るいニュートラルカラーなので、色が薄いのに冷たさが無く、暖かみがある」点 。※ニュートラルカラーとは:彩度が低く、他の色を引き立てる落ち着いた中間色(白・グレー・ベージュなど)。

蓼科の清澄な光を浴びても、空間全体が冷え込まず、常に優しく、温かい雰囲気で満たされる。この絶妙なニュアンスこそが、オーナー様の求める「安らぎ」の核心でした。

同じNo.2009 Clunchの白でも、朝、昼、夜、様々な表情を魅せてくれます。

また、No.2009 Clunchは、 Farrow&Ballの生まれたイギリス東部の石灰石の色です。No.59 New Whiteのクリーミーなやさしさとは異なる石灰石特有の柔らかさがあります。床に使われた石灰石の延長でもあります。

ホテルドゥラルパージュの廊下の壁も温かみのあるNo.2009 Clunchを使用。白でも冷たさが無く、暖かみがある色を取り入れました。
廊下 壁 No.2009 Clunch
ホテルドゥラルパージュの廊下の壁も温かみのあるNo.2009 Clunchを使用。白でも冷たさが無く、暖かみがある色を取り入れました。
廊下 壁 No.2009 Clunch/ドア No.239 Wimborne White
ホテルドゥラルパージュの回廊の壁も温かみのあるNo.2009 Clunchを使用。白でも冷たさが無く、暖かみがある色を取り入れました。
回廊 壁 No.2009 Clunch
ホテルドゥラルパージュの回廊の壁も温かみのあるNo.2009 Clunchを使用。白でも冷たさが無く、暖かみがある色を取り入れました。
回廊 壁 No.2009 Clunch

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Farrow&Ballだからこそ実現できた「色の美しさ」

オーナー様は、Farrow&Ballの塗料を採用して良かった点として、「色が美しいこと。色調が複雑で深みがあるので、格調があって飽きが来ない」を挙げられました 。

その美しさの秘密は、色調の複雑さと深みにあります 。また、「薄い塗装膜に奥行きを感じられるのは素晴らしい。薄っぺらい色の単純なキレイさとは全く違う」と、その格調の高さを評価されています 。この深みが、空間に飽きのこない上質な印象をもたらします。

ホテルドゥラルパージュの2F客室スイート リビングはレストランと同じくぬくもりのあるピンクNo.9912 Fake Tan。巾木・モールディングには白のNo.2008 Dimityを使用。空間に明るさと温もりを演出。
2F客室スイート リビング No.9912 Fake Tan/巾木・モールディング No.2008 Dimity

Farrow&Ballの色彩の特長は、光の変化によって色が柔らかく移り変わり、お客さまにとって唯一無二の色になります。この変化を「一つの色を何重にも楽しめる」と、オーナー様は感動してくださいました。

ホテルドゥラルパージュのレストラン特別室には、壁紙 1847 Ranelaghと腰下壁 No.289 Inchyra Blue。どちらも気品が溢れる色と柄を使用し、凛とした空間を演出。
レストラン特別室 壁紙 1847 Ranelagh/腰下壁 No.289 Inchyra Blue
ホテルドゥラルパージュの授乳室は、絵画のような壁紙 5402 Gableを施工。腰壁は No.286 Peignoir、巾木・モールディング No.2001 Strong Whiteで区切りました。子供にも女性も嬉しい空間。
授乳室 壁紙 5402 Gable/ 腰壁 No.286 Peignoir/巾木・モールディング No.2001 Strong White
 ホテルドゥラルパージュのレストラン特別室には、壁紙 1847 Ranelaghと腰下壁 No.289 Inchyra Blue。どちらも気品が溢れる色と柄を使用し、凛とした空間を演出。
レストラン特別室 壁紙 1847 Ranelagh

「光によって見える色が変わる」ため、朝から昼、そして夕方にかけて光が移ろうのに合わせて、空間の趣きが変わる感覚があります 。この生きているような色彩が、ご滞在の時間を豊かに彩ります。

また、仕上げについて、「マットな仕上げが落ち着いた感じを出しているのもとても良い。マット仕上げ、グロス仕上げの両方があり、グロッシーな仕上げも色に深みがあるので、塗料の質感を堪能できる」と、質感への満足度も非常に高いものでした 。

安心感を伴う色彩の「体系化」

大規模なホテル全体の色彩計画において、オーナー様が心強さを感じられたのは、Farrow&Ballの色が体系化されていることでした 。

Farrow&Ballの体系化された色彩パレットを用いることで、ゲストは客室ごとに異なる色彩の物語を巡ることができます。そして、それぞれが独自の表情を持ちながら、全体として見事に調和し、ホテルのコンセプトである『上質で快適な日常』という静謐な心地よさを創出していました。

Farrow&Ball 建築的な洗練された
ニュートラルカラー
Farrow&Ball 現代的なニュートラルカラー

体系化されたカラースキーム

「ニュートラルカラーを中心に、カラースキームを整えるのがそんなに難しくないため、ホテル全体の色を構成しやすい。そうでないと、その時その時で異なる自分の感覚に振り回されてしまって大変。Farrow&Ballの推奨組み合わせは非常に美しく、これに従えば上手く出来るという安心感がある。」というお話もいただきました。

「どの色にも、その色が最も映えるニュートラルカラーが指定されているので、ベース色を決めての配色がしやすい」ことも、複雑な計画をスムーズに進める上で不可欠でした 。

お客さまが感じる「邸宅らしさ」と色の物語

実際にホテルを訪れたお客さまからも、色彩に対する高い評価が寄せられています 。

ホテルドゥラルパージュのライブラリーバーは、重厚感を演出したNo.9918 Cola /壁紙 2805 Renaissanceを使用。
ライブラリーバー No.9918 Cola /壁紙 2805 Renaissance

「フランスの邸宅らしさを表現しているちょうど良い質感とカラー」という声は、オーナー様のビジョンがそのままゲストに伝わっている証です 。レセプションに飾られたFarrow&Ballの書籍をご覧になり、「素敵」とうっとりされるお客さまもいらっしゃいました。

ホテルドゥラルパージュの階段は、壁 No.266 Mizzle/手摺 No25 Pigeon/ササラ(階段側面)No.2009 Clunch。階段の側面と奥の壁には、イギリス南部の石灰岩の色であるClunchを使っていて、その他の壁には、Mizzleという同じ地方の空の色を表現したカラーを合わせています。

手すりには、Pigeonというカラーを採用し、一羽の鳩が石灰岩の塔の周りをクルクル回りながら、空の中を上へ上へと高く飛んでいく様子を表現しています。

滑らかなカーブを登っていくと、一番上の天井にはイタリア製のモダンなシャンデリアが吊るされています。青色の飾りがアクセントとなり、クラシックな踊り場の雰囲気に華を添えています。
壁 No.266 Mizzle/手摺 No25 Pigeon/ササラ(階段側面)No.2009 Clunch

また、色彩の名前への関心も高く、レセプションの「ボールルームカラー」や螺旋階段の「ピジョン」などそれぞれが特徴的で面白いと楽しまれています。
実は、螺旋階段のカラリングには、霧のかかった空(No.266 Mizzle)の中、石灰石(No.2009 Clunch)の塔の外をぐるぐる回りながら、鳩(No.25 Pigeon)が高く飛んでいくイメージが重ねられているとのことです。色のイメージを適切に説明するネーミングのおかげで、色選びが非常に楽しいものになります。

ホテルドゥラルパージュの廊下は 946 St Antoineでゴールドとの相性も抜群で上品な空間を作り出します。
壁紙 946 St Antoine

色彩が、空間の品格を高め、オーナー様のこだわりを具現化し、そしてゲストとの会話を生み出す。蓼科のオーベルジュ「ホテル ドゥ ラルパージュ」様は、Farrow&Ballのカラーコンサルタンシーサービスの価値を体現する、特別な事例となりました。

Farrow&Ballのカラーコンサルタンシーサービスは、単なる色選びではなく、オーナー様の理想とお客さまの体験を深く結びつける空間設計です。蓼科の静謐な空気の中で、洗練された色彩が織りなす「ホテル ドゥ ラルパージュ」様の空間美を、ぜひご体感ください。

ホテルドゥラルパージュのカラーコンサルタンシー事例 ホテルドゥラルパージュ外観
ホテルドゥラルパージュ外観

ホテル ドゥ ラルパージュ

〒391-0301 長野県茅野市北山4035 1820

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